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血湧き、肉踊る、チャンバラ宇宙時代劇
先日、エピソード3を観てもうた。私の予想を裏切り、映画はかなり面白かった。私は元来、スターウォーズが好きではない。子供の頃にエピソード4を観て「これは子供ダマシだ」と思って以来、ルーカス君とは常に一定の距離を置いてきた。ぢゃあナゼ観たのかというと、よーするにツラレてしまったのだ。周りがあまりに盛り上がっていたので、ついつい自分も血湧き肉踊っちゃったのである。

その結果、なんだかんだでシリーズ全作品を観てしまっているのだが、これまでは観る度に「ダマされた」という思いで映画館を後にするのが常であった。「またヤラレた」「ブルウタス、お前もか」を繰り返すこと5回、その間十数年。血湧かされてはダマされ、踊らされては裏切られ(いいかげん懲りろよ、私も)ここまで観たからには最終回を観ずに死ねるかと、特攻気分で観にいったエピソード3だったのだが、初めて良い意味で裏切られた。こんなこと書くと旧3部作のファンの方に叱られそうだが、全シリーズ中最高傑作なのではないだろうか? 
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なにしろ今回はストーリー展開がドラマチックだ。エピソード1&2は「エピソード3のための長すぎる伏線」だったと言っても過言ではあるまい。加えて、旧三部作からの謎が解き明かされるので、二十年近くたまってた便秘が解消されるスッキリ感もある。そしてなんといっても、エピソード3はビジュアルの迫力が圧倒的だ。この映画こそ、楽しむためには大画面と大音量で、つまり映画館で観らんばイカン映画なのだ。DVDで観るなぞ愚の骨頂。それは例えていうなら、ホカ弁をわざわざ冷まして食べるようなものだ。

とは言え、やはりエピソード3はその前後のエピソードを観ていなければ、完全には楽しめない映画だ。そこがズルい。そもそもスペース・チャンバラ娯楽活劇のくせに、物語の政治的背景が複雑過ぎる。新作を楽しむために10時間以上もかけて前作を予習する必要があるなんて、そんな非道がまかり通って良いはずがあろうか?(いや、良いはずがない)

にもかかわらず、私のようなファンでもない輩をも映画館に引き込んでしまうのが、この映画の凄いところだ。先日USAトゥデイ紙の記事にあったのだが、エピソード3を観に行った観客に「あなたはスターウォーズのファンですか?」とアンケートしたところ、イエスと答えたのは全体の3割に過ぎなかったそうだ。あとの7割は、私のようについツラレて血湧き肉踊っちゃったに違いない。だからこそエピソード3は最初の数日間の観客動員数の記録を更新し、レンタルDVD屋ではシリーズ全作品が軒並レンタル中なのだ。まさにお祭り映画の中のお祭り映画。キング・オブ・お祭り映画、スターウォーズ、恐るべし。

by つよし
by officekei | 2005-06-11 02:55 | 手記
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